プロダクトデザインのあり方は,各企業、各カテゴリーによってもちろん違いますが、プロダクトデザイナーの視点から一般的な商品開発、Module Designの取組みからブランド〈Module Design〉 の成立ちまで数回に分けて事務所の資料をもとにザクッとですが,書いてみたいと思います。お時間がある時にでもお読みいただけたら嬉しいです。
プロダクトデザインの役割
一般的にプロダクトデザイナー(フリーランス)はマーケットをとらえた上、コンセプトの作成からアイデアの展開、プレゼンを経てリファインを繰り返し製品化へのプロセスを進めます。特にメーカーの意向とデザイナーの想いのバランスをとることが必要とさせれます。大量生産と小ロット生産の2極化もすすみ量産を前提とした開発だけでなくマーケットを見据え育てていくプロダクトデザインのステップが重要とされユーザー視点で細やかに作り上げていくことがデザイナーに求められています。SNSなどユーザーから直接反応もリアルタイムで得られる今の環境は従来の開発にとらわれない新しい取組みと発想が必要とされます。
※上記画像は事務所が取り組んだプロジェクトの製品(コンセプトモデルも含む)です。アイスクリーマー、PCデスクはグッドデザイン賞を受賞しています。
プロダクトデザインのスキル。 上記掲載の画像は実際にプレゼンに使用したデータです。デザインステップはデジタル化され製品化に向けたシステム的なつながりをスムースにし、スピードアップもはかれ、他のセクショントとのデータ共有が可能になっています。シームレスなつながりはデジタル化の恩恵でもあります。学生の時からデッサン力など手を動かしながら体得し自らのデザイン力を開花させて進歩した能力は、デジタルのスキルを獲得することにより,より洗練したデザイナーに進化します。3D、CAD、グラフィック、プレゼンソフトなどは豊かな発想力を何倍にでもアップする魔法のツールです。スキルアップとは逆に発想,アイデア力などの基礎的な実力の重要性も再認識され総合的な力のアップが図られます。また企業内でもクォリティーの高いビジュアル、データにより迅速な意思決定が行われ効率アップがなされコストダウンにもつながっていきます。
発想力が感動をプラスする。
アナログであろうと,デジタルであろうとリアルな製品は、発想力の差がはっきりと結果になって表れます。ますます激化する商品の競争力を上げるには機能性、使い勝手、コストなどクリアすべき点が多くあります。そして感性による発想力は感動を商品にプラスすることができます。カタチによる感動,質感による感動,機能の感動、使い勝手の感動などそれは理屈ではない今まで見たこと,経験したことがない創造力です。新しいことを生み出すことは並大抵なことではありませんが、感動を呼び込むことができないデザインはもはや必要とされません。進化するデジタル技術、SNSなど今までにないマーケットの激変によってあぶり出される発想という本当の実力がデザイナーに要求されています。
※これからのデザインについてなど,ご意見、ご感想をお待ちしております。